LEO_TOEIC

TOEICや英語学習系の記事を書いてます

京大数学科出身の高校の先生が伝えたかったドラえもんから学ぶ数学の本質

本日は、少し趣向を変えて、高校生の頃に京大数学科出身の先生から受けた一番印象に残っている授業について紹介したいと思います。

高校生の頃に受けた京都大学数学科出身の先生の数学の授業ですね。
指数対数を学習した際に、ドラえもんに出てくるバイバイン秘密道具に関してこんな課題を与えられました。

 

バイバインのお話

 
1 のび太が一つしかない栗まんじゅうを食べるかどうか悩む。
2 ドラえもんバイバインを栗まんじゅうに垂らす。
3 その5分後、栗まんじゅうの1回目の分裂。2個になる。
4 それ以降、栗まんじゅうは5分ごとの分裂を続ける。(垂らしてから5n分後には、n^2個)
5 のび太はしばらく放置し、増えたところで食べようとしたが食べきれず、友人にも助けを求めるが食べきれず残ってしまい、栗まんじゅうは増え続ける。
6 ドラえもんの忠告を無視し、のび太は栗まんじゅうをゴミ箱に捨てる。
7 その後のび太は、栗まんじゅう分裂の恐ろしさをドラえもんから聞き、驚いたのび太は真実を話す。
8 ドラえもん野比家の庭で夥しい量にまで増えた栗まんじゅうを、ロケットで宇宙に飛ばして投棄する。

画像2

画像2

宇宙が栗まんじゅうで埋め尽くされるのにどれくらい時間がかかるか


そこで、一定時間ごとに倍々に増える栗まんじゅうが存在すると仮定した場合、この栗まんじゅうは有限の時間で宇宙全体を埋め尽くすか?という課題を与えられました。
私も、学生時代自ら導き出せましたが、解いた紙をなくしてしまったので、他の人のサイトから答えは引用しています。引用元:指数関数と「ドラえもんの宇宙」 (http://www7a.biglobe.ne.jp/~watmas/dosukyo/circle-reports/manabe01.html)
宇宙の体積が有限だとして、栗饅頭が宇宙を埋め尽くすまでの時間tを計算してみましょう。栗饅頭1この体積をv=100 cm 3
宇宙の半径R=100億光年の球と仮定します。栗饅頭の個数は
     1,2,4,8,・・・,2^n  ,・・・
と指数的変化をするので、栗饅頭の全体積V(n)は
     V(n )=2^n V
となります。nはとびとびの値をとりますが、連続的変数に拡張すれば、V(n)を指数関数とみることができます。ちょうどn回目の分裂が起こったときに、栗饅頭の体積と宇宙の体積が等しくなったとすると、
     4/3・ πR 3=2^n V
という式が得られます。VとRはわかっており、上の式からnの値がわかるので、埋め尽くすまでの時間tが
     t=5n分
と求まります。光速度を3.0 ×10 ^10 cm/sとすると半径Rは
     R=10 ^10× 365× 24× 60× 60× 3.0× 10 ^10 cm=9.46 × 10 ^27cm
ですから、宇宙の体積は3.54 ×10 ^84cm ^ 3 となります。したがって、この値を2 n× 102 cm ^3とおくと   
     2 n=3.54 ×10 ^82
が得られます。これからnを求めるために、両辺の常用対数をとると、次の式になります。
     n log10 2=log 103.54+84
対数表から、 log10 2=0.3010,log 10 3.54=0.5490がわかるので、これからおよそ n=274 となることがわかります。したがって、埋め尽くすまでのおよその時間は
     t=5 ×274 分 =**22.8 時間**
となることがわかります。
**予想に反して、なんと一日で宇宙は栗饅頭で一杯になってしまうのです。**

ドラえもんから先生は何を伝えたかったか?


京都大学の先生は答えを紹介した後、最後にこう言いました。
これから大学生・大学院生・社会人になる中で、解決できない問題が山ほど転がっている。
そういった難題を解決するうえで、
問題の抽象化→仮定→実証
この論理思考のサイクルが重要になってくる。
この論理的思考力を養ううえで、数学は最高のツールである。
理系の人たちは、数学などの理系科目は解法のプロセスを暗記するのでなく、どういう前提、仮定があり、それに対してどういう定義を使い、なぜ答えまで辿りつけたのかというプロセスをしっかり理解するようにしましょう。
これが社会に出て活きるはずである、という言葉をおっしゃっていました。
当時は、何を言ってるかよくわかりませんでしたが、大学院で研究を始め、誰もわかっていないことを解決するときのプロセスとして数学的思考力や論理思考が必要だと気づき、ようやく当時先生の言ってることが理解できました。
ホントに、もっと高校時代に数学を勉強しておけばなーと少し後悔しております。

ちなみに、今回のドラえもんバイバインのような話がたくさん載っている柳田理科雄さんの「空想科学読本」という本が大好きです!「ウルトラマンは3分間で地球を守れるのか?」など、漫画やアニメで感じる疑問を物理・化学の知識を使って、答えていくという本になっております。

 

[http://

:title]

 

[http://:title]